この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。
多くの企業で設定されている定年は、60歳です。
近年は高年齢者雇用安定法の影響で定年退職制度自体を見直す企業が多く、65歳まで定年を引き上げるケースもあります。
しかし、多くの方が60歳で定年退職を迎え、アルバイトや再就職を考えなくてはならない現状です。
このような状況の中、年金受給が始まる65歳までの生活費をどうするか、と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
定年後の生活費を工面する方法のひとつが、年金の受給年齢を繰り上げることです。
ここでは、年金の受給年齢を繰り上げるメリットとデメリットについて紹介します。
年金の受給年齢の仕組み
年金問題は支払う側の若者だけではなく、受け取る側の高齢者にとっても深刻な問題となっています。その理由のひとつが受給年齢の仕組みにあります。
従来とは受給年齢が変化しており、さらに将来的に変化する可能性も考えられます。
まずは、現在の年金の受給年齢に関する基礎知識や、近年の制度について解説します。
年金の基礎知識
年金(公的年金)は、国民年金と厚生年金の2種が存在します。
度々「2階建て」と例えられており、国民年金が土台の1階部分にあたります。
- 国民年金…20歳~60歳の国民全員が加入する義務がある
- 厚生年金…企業で働く加入条件を満たした人のみ
国民年金をさらに分類すると、老齢年金・障害年金・遺族年金の3種です。
一定年齢に達した高齢者の生活保障のための老齢年金のほか、病気や怪我で働けない方のための障害年金、残された遺族のための遺族年金と、それぞれ目的と対象が異なります。
厚生年金は国民年金に上乗せで支給されるため、建物に例えると2階部分にあたります。保険料を企業と従業員で折半して納めている点が特徴です。
公的年金のほかにも、任意で加入できる国民年金基金やiDeCoなど、年金の種類は複数挙げられます。個人の意思で加入を決定することから、私的年金と呼ばれています。
近年の「年金受給年齢」における制度
年金の受給年齢は、かつて国民年金で65歳以降、厚生年金で60歳以降でした。しかし現在は厚生年金の受給年齢が数年にかけて引き上げられ、生年月日や性別によって差がある状態です。
たとえば60歳を受給年齢となる方は男性で昭和28年4月1日以前生まれ、女性で昭和33年4月1日以前生まれです。
男性は昭和36年4月2日以降生まれ、女性は昭和41年4月2日以降生まれの方は65歳から受給開始となります。
現在は国民年金・厚生年金ともに60歳~64歳までに早めに受給を受けられる「繰り上げ受給」を申請できるようになりました。ただし早く支給される分、支給額は若干減額される点に注意しましょう。
また、受給年齢を遅らせる「繰り下げ受給」制度もあります。
受給年齢を遅くすることで、毎月の支給額が増額される仕組みです。長生きに備えて、金銭的に損をしないと一部で注目を集めている繰り下げ受給を検討するのも方法のひとつですね。
年金繰り上げ受給制度のメリットとデメリット
老後の資金が心もとない方は、年金の繰り上げ受給制度を活用することができます。
しかし、月々の受給額が減額されるなどデメリットもあるため、慎重に申請するか否か決めなくてはなりません。
実際に年金の繰り上げ受給制度を利用した場合、以下のようなメリットとデメリットが挙げられます。
メリット
高齢な方が従事できる仕事は体力的にも限られています。思うように働けず金銭的に差し迫った状況であれば、年金の受給年齢を早めることでメリットを得られるでしょう。
今後の年金制度へ不安を持っている方は、思い切って繰り上げ受給制度を検討する考え方もあります。ただし、毎月の受給金額は減額されるため、支給総額だけではなく1ヶ月単位の支給額も踏まえて慎重に検討すべきです。
デメリット
繰り上げした月数に応じて、支給額が減額されます。1ヶ月あたり0.5%の減額率となるうえ、将来にわたって一度減額した金額は据え置きとなる点も要注意です。
またあくまで繰り上げできる年金は一部の年金のみです。
65歳前に遺族厚生年金を受けられるようになった妻の場合、65歳まで中高齢寡婦加算58万6300円(2020年度の年額)が加算されることがあります。ただし、遺族厚生年金(+中高齢寡婦加算)と、繰り上げした妻の老齢年金は、65歳までいずれか選択となります。両方は同時に受給できません。
申請で得られるメリットと発生するデメリットをよく比較したうえで、繰り上げ受給制度を活用しましょう。
不動産を活用して老後の資金を確保する「ハウス・リースバック」
老後の資金を早急に確保したいときは、年金の受給年齢を繰り上げるほかに持ち家を活用する方法もあります。「ハウス・リースバック」と呼ばれる方法で、不動産を一度売却した後も賃貸として住み続けることが可能です。
ハウスドゥでは、基本的に全国どの地域でもハウス・リースバックを受け付けています。
リースバック取扱い業者の中には、東京近郊のみ等と限られている場合もありますが、そのほかの地域でもぜひ一度ご相談ください。
ハウス・リースバックを利用するメリット
ハウス・リースバックは物件を売却することにより、一括でまとまった現金を得られる点が最大のメリットです。
更に、以下のようなメリットもあげられます。
- 年齢制限なし(高齢者の利用も可能)
- リース契約で引っ越しする手間がない
- ご近所に知られず不動産を売却できる
- 事務所・店舗などさまざまな物件に対応
- 高齢者(65歳以上)単身者向けのコールサービスがあり安心の老後生活
利用者に年齢制限がなく、資金使途にも制限がないため、老後の生活費としてはもちろん、新しく事業をはじめるための資金など多様な目的でハウス・リースバックを利用可能です。
売却後にリース契約を結び、賃貸物件として継続利用すると、引っ越しする手間も余計な出費もかかりません。
変わらず住み続けられるため、売却したことを知られることなくご近所付き合いを続けられます。
ハウス・リースバックを利用する際の注意点
住み慣れた住居を離れることなく、まとまった現金を得られるハウス・リースバックは多くの年齢層の方から注目を集めています。利便性の高いサービスですが、ご利用時は以下の点に注意してください。
- 共有名義の物件は権利者全員の同意が必要
- 住宅ローン残債額によっては取扱いできない場合がある
- 物件の状況よっては取り扱いできないが場合ある
- 一部地域も取り扱いできない場合ある
共有名義の不動産を、同意なく売却することはできません。
必ず権利を持つ全員に同意を得たうえで手続きに進みましょう。そのため、場合によっては契約まで手間や時間を要することがあります。
物件の状況や一部地域では取り扱いできない可能性もあるため、まずは担当者へご確認ください。
具体的な物件の状況と住所を伝え、対応の可否を参考にハウス・リースバックを検討すると二度手間を避けられるでしょう。
まとめ
年金の受給年齢は今後も上がる可能性があるため、こまめな情報収集が求められます。
金銭的に規定の年齢では遅いと不安がある方は、受給年齢の繰り上げ制度を活用することを検討しても良いでしょう
ただし、受給できる金額が減る点に注意してください。個人宅や店舗などの不動産を有している場合は、年金受給年齢までの生活費を得られるリースバックもおすすめです。
ハウスドゥのハウス・リースバックは一括で現金を得られるうえ、リース契約で住み続けられるため、生活の質や環境を変えたくない方も安心して利用できるサービスです。この機会に、ぜひご相談ください。